ピアノ購入の宿命「防音対策」を考える

アップライトピアノでもグランドピアノでも購入したは良いけど、いざ自宅に納入したら防音がされていなく近所からクレームが来てしまったという方は大勢見えるかと思います。
このままピアノ査定という流れにならないためにも、ピアノの防音対策について、今回の記事にしていきたいと思います。

そもそも、防音対策は一軒家の場合や、マンションのような集合住宅、アパートのような賃貸物件等、色々な場面があるので、その場面場面で対応は変わってきます。
アパートのような賃貸物件、もちろん賃貸マンション、賃貸の一軒家に関しては、大家さんの許可がないと改装工事等は出来ないので、まずはそこから確認しましょう。

まずは音についての基礎知識ですが、目標は「30db~40db」と言ったところです。イメージしにくいですが、基本的に常識ある時間帯であれば弾いてもクレームは付かないぐらいの音量になります。従って、この値が目安となります。

まず一軒家の場合ですが、通常の二重窓にすれば概ね問題ないと考えられます。ただ、二重窓にする場合にも、当たり前のことですが、しっかりと改修・リフォームをしてくれる業者と話を詰めることです。
改修してくれる業者さんが、このような「音」に対して詳しい方であれば、問題ないかと思いますが、中には「単純に二重窓にすればいいんだろ?簡単だよ」という感じで引き受けたものの、全く防音対策になっていないということも、耳にします。
一番良いのは、信頼のおけるピアノ店の方に紹介してもらうのが良いかと思います。または、改修時に付き添ってもらい、細かい指示を出してもらうのがベストかもしれません。
兎にも角にも、こういったピアノの防音に対して詳しい人を立てるというのが大事なことになります。

一方、マンションのような場合は、また話が変わってきます。要は、上の階、下の階、隣、右上、左上と隣接する方々に、どうしても迷惑を掛けてしまうと言うことです。
特に直下が非常に大きな影響を受けることになります。理由は「個体振動音」というものがあるからです。特に、グランドピアノの場合は大きなものとなります。
そもそものマンションの作りが防音対策されていれば、問題はないと思いますが、そうでない場合は、まず試すのが「床との接地面の振動を防ぐ」ということです。衝撃吸収材のようなものであれば、効果は表れると思います。
ただ、それでも限界があるので、そういった場合は最悪、諦めるか引越しも選択肢になってきてしまいます。

グランドピアノは中古ピアノより新品ピアノがお勧め

グランドピアノを購入しようと考える場合、決して安いとは言えない買い物になるため非常に慎重になるかと思います。その中の選択肢として中古ピアノもあるかと思います。
本ブログでは、この中古ピアノを購入するのか?新品ピアノを購入するのか?で色々な考え方があるので、幾度となく場面場面に応じて紹介をしてきました。
今回は、このグランドピアノの場合はどうしたらよいのか?ということに触れていきたいと思います。

結論から言ってしまえば、当然と言えば当然ですが「新品のグランドピアノ」の購入が一番良いです。
その根拠は、グランドピアノという性質上、いくら目利きが出来る方だとしても中古グランドピアノの性能差というものは、どうしようもできない場合があります。
総じて、そういったピアノというものは「値段は安いけど」と、どうしても「けど」が付いてしまうものです。アップライトピアノであれば、何とか出来る範囲でもグランドピアノとなるとお手上げ状態のものもあります。
さらに、中古グランドピアノの中でも状態の良いものだとしても、やはりデリケートな楽器である以上、新品と比べると見劣りは大きいものになってしまいます。

そもそも、グランドピアノを使用するシーンというのが、自身の趣味のレベルであれば、上記の「状態は悪いけど安い」というものでも個人の見解なので問題はないと思います。
ですが、大体がコンサート会場や学校の体育館のように大勢の前で弾くためのピアノであったり、ピアノ教室として利用するピアノであったりと、個人だけの問題では片づけられない使用シーンになると考えられます。
やはり、そこに中古グランドピアノとして少々状態が悪いものを用意すると、がっかりしてしまう方も見えるかもしれません。
こういった理由もあり、新品のグランドピアノをお勧めしたいと思います。

当然、予算との相談になるので難しいかもしれません。もし状態の良い中古グランドピアノと安い新品のグランドピアノが比較対象となった場合には、是非とも新品をお勧めしたいです。
アップライトピアノの場合は、また状況が変わってきますのでご注意ください。

新品ですと、今の量産型のグランドピアノでも寿命も長いですし、音質もそれなりのものを出してくれます。ランニングコスト的にも、長い目で見れば間違いなく新品グランドピアノの方が安くあがるはずです。
また、不要となった場合もグランドピアノは買い手が見つかりやすいので売りやすいということもあります。ここで、それなりにペイは出来るかと思います。

質の悪い中古ピアノを購入しても復活の可能性がある

中古ピアノを購入したさいに、もし質の悪いピアノを購入してしまった場合、どうしたらよいか?をここで紹介していきたいと思います。

細心の注意を払っていても、どうしても「質の悪いピアノ」というのを見抜けなくて購入してしまった場合、程度によりますが、ある程度であれば修正することは可能です。
単純に、ここで紹介してきたメンテナンスをしてみたり、調律をしてみたり、オーバーホールしてみたりと色々と方法があります。
これを丁寧に小まめに根気強く行うことで、質の悪いピアノでも響板が痛んでいなければ、だんだんと質のよいピアノになっていく可能性があります。

さらに紹介したいのは、最近、本ブログでも何度も出てきている「調整」です。調整はプロがやるものなので、素人には出来ない作業ですので、出張して調整をしてくれるピアノの優良店が存在するのでそこにお願いすると良いと思います。
今では、遠方でもわざわざ出張して調整してくれる業者の方も見えるので、インターネット等で探し観るとよいかと思います。
もちろん調整するためにお金はそれなりに支払わないといけません。ですが、さすがプロと思わせるほど改善が見込める場合があります。本来であれば、調整というものは長い時間をかけて行うものですが、1日だけやったとしても全くピアノの質が変わってきます。
恐らく、ユーザーの方にもご都合というものがあるかと思うので、1日や2日ぐらいが調整できる限度かと思います。
それだけでもよいので、是非お願いしてみてください。本当に素晴らしい音色やタッチ感に変化するピアノは多く存在するのも事実です。
ただプロの方が調整したときの話を聞きますと、「やはり1日、2日ではとてもじゃないけど時間が足りない」ということを耳にします。

調整は、調律ほど小まめにやらないでよいので、定期的に調整を少しずつ行っていけばよいかと思います。従って、初回で出来なかった調整を少しずつでよいので根気強く行っていくことが重要になるわけです。
ピアノという楽器は、手を掛ければ手を掛けるほど良い音色になってくれるので、ある意味では「質の悪いピアノ」から「質の良いピアノ」になる過程を見られてお得なのかもしれません。

ともあれ、中古ピアノで「外れくじを引いてしまった」と思っても、このような作業を根気強く行っていけば、復活する可能性は高いと思います。
今、このような悩みを抱えているのであれば、是非、実践してみてください。何年も放置していたピアノが復活するかもしれません。

改めて伝えたい「ピアノ購入時は実物を見ることが大事」ということ

中古ピアノを購入する際に気を付けたいことは、本ブログでは何度も記載させてもらいましたが、今一度、記載をさせてもらいます。
ピアノというデリケートな楽器は、やはり実物を見て、触って、鍵盤を叩いてみるのが非常に重要です。

さて、何故、このような冒頭になったかといいますと、先日から何度か紹介させていただいた「出荷調整」や「納入調整」の大変さ、大切さ、重要度を記載しました。
このような調整関連も、やはり直接、ピアノ店に足を運んでお店の方とこういったやりとりもしないと中古ピアノは特にそうですが、良いピアノに出会うことが出来ないと私は考えているためです。

確かにインターネットで安価にピアノを手に入れることが出来る世の中になってきてはいますが、やはり画像や動画だけでは限界があるのも事実です。
しかも、個人売買になってくると、出荷調整なんてものはしてくれないだろうですし、納入調整なんてものもやってくれないと思います。さらには、その後のアフターケアもない可能性もあります。
決して安くはない買い物になるはずなので、失敗しないためにも万全を期すのは至極当然のことだと思います。

さらに、いくら実物を見たとしても、この出荷調整や納入調整をしてくれる、してくれない。というピアノ店自体の判断もすることが出来ます。
先日の記事でも少々、記載しましたが基本的に、この調整関連はピアノ店からしたらあまりやりたくない作業です。非常に面倒な思いをしてもお金にならないからです。
ひどいピアノ店ですと、中古ピアノを並べているだけで調律も調整もせずにほったらかしというところもあります。これは、実際にピアノの鍵盤を叩いてみると分かりますので、くどいですが叩いてみましょう。
もし、調律や調整がされていないと感じた場合は、お店の方に作業をしてくれるのか?を問い合わせてみてください。ノーと応えた場合は、そのピアノ店では購入しないことを強くお勧めします。
どうしても、そのピアノが欲しい場合は話は別ですが、やはりそういったお店は他のメンテナンスも軽視しがちな傾向が強い印象が強いです。
さらには、こういった「悪いお店」というものは、入った瞬間の雰囲気でも分かるときがあります。ピアノは綺麗でも他が汚い、ほこりっぽい等があれば、ピアノの性質を理解していないということの証明にもなります。

ともあれ、今回の記事では改めて中古ピアノ、新品ピアノ限らず、ピアノを購入する場合は必ず実物を見ることの大切さが伝えたかったのです。

スタンウェイは納入調整も一流の仕事をしてくれる

スタンウェイは言わずと知れたピアノ界の一流メーカーということは、既に周知の事実だと思います。もちろんピアノの性能が素晴らしいものがあるのは当然です。
さらに、一流メーカーと呼ばれるメーカーというものは、製品だけではなく、サービスに関してもやっぱり一流なんだなと感じることが多いかと思います。
このスタンウェイも例外ではなく、サービスの面でも本当に素晴らしい仕事をしてくれています。その確たる例が、納入調整です。
以前の記事でも納入調整の大切さと難しさを記事にさせていただきましたが、スタンウェイはその難しい作業を丁寧に丁寧にこなしてくれるのです。

本ブログで幾度も言ってきたことですが、ピアノという楽器は、本当にデリケートな楽器です。反面、丁寧に調律や調整、メンテナンスをしていれば、その分だけ応えてくれるという面も併せ持っています。要は、短所長所が表裏一体になっているのがピアノという楽器なのです。
スタンウェイという一流メーカーは、これをよく理解しているため、このような丁寧な作業にしてくれるわけです。

特に納入調整というものは非常に難しい調整の1つですので、個人店や、小さなピアノ店ですと嫌がることが多いのが現実です。正直な話、スタンウェイクラスの高級ピアノでなければ納入調整をしても儲からないのです。
なので、さらにスタンウェイの良さというものが目立ってくることになるのです。

実際に、スタンウェイのピアノを購入すると、おおよそですが、まず出荷調整を2~4日かけて行います。余談ですが、正直なところ、もっと時間を掛けてもよいぐらいだと個人的には思っています。これだけでも、他のピアノ店では中々ないサービスになります。
そして、ここからがスタンウェイの真骨頂です。納入後の納入調整を気が済むまで付き合ってくれるのです。先日の記事に書きましたが、納入先の環境によってピアノの鍵盤を叩いたときのタッチ感や、音質を始めとし
ありとあらゆるところで、誤差が生じてしまうのです。それを、心行くまで調整してくれるのはスタンウェイぐらいです。
また余談ですが、最近の日本の優良ピアノ店であれば、同じようなサービスをしてくれるところも増えてきているようではあります。

ともあれ、こういった出荷調整、さらには納入調整に関しても一切気を抜かずにピアノを提供してくれるのは、やはり購入者にとっても気持ちが良い物です。さすがスタンウェイと思わせてくれるのもさすがとしか言いようがありません。

意外と知られていない納入調整とは何か?

ピアノの調整については、先日の記事で紹介させていただきましたが、今回は、納入調整ということについてお話していきたいと思います。

納入調整とは、読んで字のごとくピアノを納入したときに調整をすることを言います。サービスが行き届いているピアノ業者さんは、最後まできっちりと、この調整をしてくれます。
余談ですが、この納入調整をしてくれるか?してくれないか?で、ピアノ業者さんの良し悪しが分かる1つの指針になるので、購入前に是非、一度問い合わせてみましょう。

さて、この納入調整とは意外と知られていないにも関わらずかなり重要性の高い作業なのです。
その重要性についてですが、新品ピアノであろうが、中古ピアノであろうが、購入時に、そのピアノの現物を見て、さらには鍵盤を叩いてみてタッチ感や音質を確認したと思います。
それは、あくまでピアノ業者さんのお店で感じた感想です。ここがキーポイントになってきます。
実際に、納入されて満を持して実際に鍵盤を叩いてみたら、何だか違和感を覚えるという方がそれなりの数で居ます。それは、ピアノが置かれている環境が変わったということが大きな要因の1つになります。

例えばですが、小学校や中学校の体育館で使用するピアノを購入したとします。当然のことながら、体育館という場所は非常に広い建物になります。
ですが、ピアノ業者さんは、この体育館のような広さを持っていません。もしかしたら、そのような大手企業さんが見えるかもしれませんが、ここでは、体育館のような広さを持っていないとします。
勘の良い方は、何を言いたいかは薄々感じているかもしれません。この「建物の広さ」というものは、ピアノのような楽器は非常に大きな意味を持つのです。広さが違えば、音の反射等、色々な要因で音質と言うものは変わります。
従って、この納入調整にて、購入者の好みの音質や、購入時に感じた状態に少しでも近づけるための作業になるので、非常に重要になってくるわけです。

そもそもの話ですが、いくら購入時にピアノ店で音を鳴らして満足したとしても、自宅等に納入してもらったら違う音になる可能性が高いということを認識しておいた方が良いかと思います。そういった理解のもと、ピアノ選びもしていきたいところです。
また、先にも書きましたが、この納入調整をするか?しないか?はピアノ業者さんによって対応はまちまちです。全くないところもあれば、有料でやってくれるところ、無料でやってくれるところ。
と、色々あるので、必ず購入時には確認するようにしておきたいところです。

調整という作業はピアノにとって非常に大事な作業

いきなり余談ですが、ピアノを購入する際に、ピアノを売っているお店が信用に値するか?というのは非常に大きな問題だと思います。
今回、ここで紹介する「調整」というものをしっかりとしているピアノ店は、信用に値するお店と考えてよいとかと思うので、是非、購入するさいに抑えておきたい内容ですので、ご一読して頂けると幸いです。

さて、この調整ですが、調律とはことなります。さらに、調律とは違い非常に面倒な作業です。従って、ピアノ店としては、面倒な作業のため行いたくないのが本音です。
ですが、良いと言われるピアノを売るためには、この調整が非常に重要な要素になっているわけです。

では、その調整とは何か?ですが、簡単に言ってしまえば、ピアノの最適化をするということです。いくら、素晴らしいピアノでも、製作完了したときには、まだまだ「ロス」があります。そのロスをなくすために調整を行うわけです。
例えば、鍵盤を叩いてからハンマーが動くまでのロス、ハンマーが反応して弦を叩くまでのロス、ハンマーがちゃんと弦を捉えるためのスポットの調整。などなど、調整と言われて行う作業は多岐に渡ります。
安いピアノだと、その値段の対価に合わないほどの作業量になってしまうため、実際問題として調整を行わないピアノ店も居るぐらいです。

本当に大変な作業と理解できるエピソードがあります。通常に販売するピアノは、長くても平均して3日ほどかけて調整を行う場合が多いです。
ですが、大きな舞台、国際コンクール等で活躍するようなピアノの場合は数ヶ月をかけて調整することが多いのです。それほど、地道でデリケートな作業なわけです。
これが、もし一人のためのピアノであれば、その人好みに調整をすればよいので比較的、楽な作業になるのですが、これが万人受けしないといけないよう場合になるので、本当に大変なのです。

と、大変さが伝わったと思います。さて、通常、お店で購入した場合は、調整を行うべきか?行わないべきか?なのですが、良心的なお店ですと高級ピアノを購入した場合、無料でやってくれるときがあります。
もちろん無料の場合は、間違いなくお願いしましょう。では、有料の場合ですが、法外な値段でなければ強くお勧めしたいです。
新品ピアノの場合でも、中古ピアノの場合でも、ピアノとしての寿命を大きく左右する可能性があるためです。
ロスが無くなると言うことは、ピアノに対しての負担が少なくなるということで、すなわち寿命が長くなるということに繋がってくるわけです。是非、可能であれば、購入の際には調整を行うようにしましょう。

新品ピアノと中古ピアノ。どちらを買うべきか?

ピアノを購入する際に非常に悩む、中古ピアノにするのか?新品のピアノにするのか?という永遠の題材があります。
私的な意見ですが、言わせてもらうと私は断然新品ピアノを選択します。もちろん、根拠がありますが、注意して欲しい点は、中古ピアノが悪いという根拠からではありません。
中古ピアノには中古ピアノの良さというものがあるので、その良さにマッチすれば、中古ピアノを選ぶことに何ら問題はありません。

さて、その根拠の前に、もし中古ピアノを購入するのであれば1つお勧めしたいのがあります。かなり限定的になってしまいますが、ヤマハ、またはカワイのアップライトピアノ、かつ色は黒でオッケーだよというのであれば強くお勧めしたいです。
理由は、一時期、この黒色のアップライトピアノは非常に売れたときがありました。これが、25年~30年前ぐらいの話です。
しかも、購入しただけで、特に使用せずに不要となったという、まさに宝の持ち腐れ状態のピアノが多く居るのです。
なので、このように比較的に保管状態が良いものが中古ピアノの市場に多く出回っているのです。従って、比較的ですが安価に黒色のアップライトピアノを手にすることが出来るためです。
さらに、不要となった場合も、少し長めの使用期間であれば、そう損はしないほどの値段を査定で付けてくれる可能性があります。

それ以外の場合は、私は新品ピアノをお勧めしたいところです。ただし条件があります。きっちりとメンテナンスをすることです。
どのピアノもそうですが、今の中古ピアノ業界というものは、さほど値崩れせずに査定額を提示してくれます。本ブログでも再三に渡って記載していますが、ちょっとしたキズであれば問題ありません。
ただし、響板が劣化しているという致命的なものになると、下手をすると買い取ってくれません。何が言いたいかと言いますと、将来的に中古ピアノとして売るのであれば新品ピアノを買ったとしても、査定額でそれなりに戻ってくるから新品ピアノの方が良いということです。
特にスタンウェイのような高級ピアノを購入するのであれば、なおさらです。少々安いからと言って、中古ピアノを購入し、使用しいざ売ろうとしたときに寿命が来てしまっては元も子もありません。
スタンウェイの場合は、それでもアンティークとしての道が残されていますが、あまり期待はしない方がよいと思います。

こういった理由から、少々安いというだけで中古ピアノを購入するのと新品ピアノで少々高いけど売ることを考えれば、将来的にいいかもしれない。という見解で私は新品ピアノを購入して中古ピアノ市場に回すという方法がよいと思っています。

アンティークとして楽しむピアノの位置づけ

ピアノという楽器は、音楽を奏でて楽しむという以外にもアンティークとしての位置づけで楽しむということも多くあります。そこで、アンティークとして扱う場合のお話を今回の記事にて記載していきたいと思います。

ピアノに限らずアンティークなものは、世界中で大変な人気を博しています。ただ、そのコレクターの中でも楽しみ方は様々で、観賞用として楽しんでみたり、実際に使用して「昔ながら」を思い出して楽しんだりと色々です。
ピアノも例外ではなく、観賞用、音楽用と色々な楽しみ方があります。ですが、ピアノは楽器の中でも非常にデリケートなもので、音を出して楽しむと言っても限界があることも確かです。
例えば、バイオリンを例に挙げると、バイオリンは古ければ古いほど非常に価値が高まっていく傾向があります。ですが、ピアノは「音」を楽しむのであれば、古くなれば古くなるほど価値は下がってしまうのです。
従って、もしアンティークとして音を楽しむのであれば、それ相応の覚悟とメンテナンスが非常に大事になってくることをしっかりと理解をして楽しんでもらえたら幸いです。
ただ、観賞用として楽しむのであれば、外見だけを注意しておけば問題ないと思いますので、小まめな掃除で充分かと思います。

さて、鑑賞用でも音楽用でもアンティークピアノとして楽しむ場合は、必ず温度や湿度を気を付けるようにしましょう。
それは、本サイトで何度も言ってきましたので、割愛しますが、ポイントは観賞用でも見た目が変わってしまう可能性があるので、湿度と温度は注意したいということです。
従って、当然、クーラーの風が直接当たる場所などもNGですし、直射日光なんてものは持っての他です。意外とこのような注意点が疎かになってしまっている方も多く見えるのが現実です。

観賞用でも、ここまでする必要があるのか?という疑問もあると思います。
これはアンティークを楽しんでいる方の楽しみ方によりますが、基本的にはピアノ自体の形が変わってしまう可能性や、日焼けをしてしまいせっかくの綺麗な見た目が悪くなってしまう可能性があります。
従って、いくら観賞用とは言え、湿気や温度で見た目すら変わってしまうので注意する必要があると言えるのです。

ともあれ、ピアノとはデリケートな楽器なので、アンティークとしてだろうが、観賞用だろうが、色々な用途でも、小まめなしっかりとしたメンテナンスと注意は必要だということです。
特に勘違いしやすい「観賞用」の場合は注意するようにしたいところです。

そもそもオーバーホールとは何か?必要性は?

本サイトで何度かオーバーホールという言葉を出していますが、そもそもオーバーホールとは何かということを説明していきたいと思います。

簡単に言ってしまえば、ピアノのメンテナンスのことになります。ピアノは弾けば弾くほど、時間が経てば経つほど、音の質と言うものが変わってきます。さらに、鍵盤を叩く感触も徐々に変化していくデリケートな楽器です。
その音質や鍵盤のタッチ感をよくするために色々な部品などを交換したりしてメンテナンスを行うことを言います。従って、調律とは意味合いが違ってきますので注意が必要です。
さらに、中古ピアノという観点からも、自身のピアノを査定に出す場合、このオーバーホールをしていたしていなかったで、査定額に差が出る可能性もあります。
逆に、中古ピアノを購入しようと思った時も、購入したばかりの時は、特に音質やタッチ感は前オーナーや管理していたピアノ業者さんの手によって変えられていたりと、自分自身の好みになっていない可能性があります。
こういったときにも、調律と合わせてオーバーホールを実施することに非常に意義が出てくるわけです。
さらにオーバーホールは、ピアノ全体に渡る作業になるため、ピアノの命でもある響板のメンテナンスも合わせて行うことが出来ると言う強みを持っています。
響板がダメになってしまえば、ピアノとして寿命を迎える意味と同等のため、寿命が長くなる可能性が大きくなるわけです。

少々、話が逸れますが、オーバーホールという作業は本当にデリケートな作業になります。例えば、ハンマーを交換した場合、これだけでピアノのバランスが大きく変わります。
ピアノからしたら、いくらハンマーと言えども、いくらピアノメーカーの純正製品を使用したとしても、交換前と交換後のハンマーは別物なのです。
何が言いたいかと言いますと、ハンマーを交換したとき、例えば、それが1gの差があった場合、ピアノ自体の性能が大きく変わると言うことなのです。
具体的には、たった1gハンマーが重くなると叩く鍵盤は5gほど重くなると言われています。5gというのは明らかに感覚的に違うので、戸惑ってしまうことがあるわけです。
ですので、中には、このタッチ感が変わることを嫌がりオーバーホールをあまりしない方も確かに見えますが、やはり部品交換などはどうしても必要な作業になってくるため覚悟は必要です。

ともあれ、デリケートとは言え、オーバーホールというのはピアノの寿命を大きく左右するメンテナンスのため定期的にすることを強くお勧めしたいです。