ピアノ男子

小さい頃と大人になってからとでは、価値観というかカッコイイとされる評価が逆になってる事が多々あります。当時、虫に詳しいヤツって周りから羨望の眼差しを浴びていて、完全にヒーローでした。「虫博士」とか称号をもらえて、いつも人気者。それなのに大人になっても趣味で虫を採集している人って、一般の女の子からはむしろ軽く引かれる風潮にあります。「なんか根暗で気持ち悪い」等と不名誉な称号を与えられ、「あいつ虫の話しかしないし、なんかカブトムシのニオイがする」と言われ、合コンにも誘ってもらえません。

それの逆で、ピアノを習ってる男子があります。当時は、「ピアノなんて女子が弾くモンだぜ気持ちわりー。」とか言われ、コンクールで白タイツなんか履こうものなら、クラスの男子に大爆笑されてしまいます。しかしどうでしょう。大人になった今、ピアノが弾けるとなるとそれだけで女の子から一目置かれます。弾いてもいないのに、なんか雰囲気がカッコイイとまで言われ、合コンでもモテモテです。

昔友達にバカにされてたピアノ男子たちは、今こそ逆襲出来る立場に立ったわけです。失意の底でピアノ買取業者に電話をかけようとしている貴方、女の子の前でバッチリ演奏出来るように、練習の為取っておくのも悪くはないんじゃないでしょうか。その技術は、いつの日か必ずや日の目を見ることでしょう。来るべきその時に備えて、爪を研いでおいて下さい。

リサンプリング

NAS、大好きです。アメリカではヒップホップの大御所として超有名なんですけど、なんせトラックが良い。特にピアノの音をサンプリングしてる曲が、どれもこれもセンス抜群で好きですね。音質?音階?とにかく使い方がいつも最高なんですよね。

もうこの世にはピアノの良いフレーズは出尽くした感があるので、これからの人はそれらをセンス良く配列させて組み直す作業が作曲活動の軸になっていきますね。やっぱりピアノは査定に出してしまって、代わりに名演と言われるレコードを片っ端から買いまくってサンプリングをする。テクニックよりも感性が大事な時代です。

どうせ家で鍵盤を目の前にしても、手癖でなんとなくいつもの感じに弾いてしまうのがオチだし、でっかくてジャマなので、むしろどんどん良いフレーズを聴いて、それを使って面白い事をした方が良さそうです。自分では思いもよらない、そして絶対に弾けないような音階がお手軽に手に入る訳ですし。

超絶技巧の練習をしている暇があったら、超絶に聴きまくって感性をゴシゴシ磨くしかないんです。もともと弾くならギターの方が好きだし、どうもピッチが完全に決まってる鍵盤楽器よりも、自由度の高い弦楽器の方が曖昧な分面白い。重い音もつけ放題ですしね。

スケールアウトもチョーキングとかスライドを駆使すれば、かなりの部分をごまかせてしまえる魅力があるわけで、その点ピアノなんかだと失敗がバリバリ目立っちゃうんですよね。

なんでも小型化

小型化こそ正義、小型化こそ人々の求めるもの。日本人は物を小型化する事に執着する方が実に多いですね。そして実際小型化した方が圧倒的に便利なんですよね。
ちょっと良いとこのお宅にお邪魔したら、一昔前なら大体大きなピアノがあったりしましたよね。そしてその大半が物を置く棚というか、家具と化してる。まあ家具としても充分成り立つ重厚なルックスと、なんとなくご立派な家庭の自己紹介として機能してはいますよね。

でも実際、実用的かと問われるとちょっと疑問ですよね。グランドピアノを背負ってコンクールに来てる人なんて見たことないし、街中で旧式のアップライトピアノを持ってきて弾き語りしてる人なんかも見たことない。ピアノの引きずり跡がついた廊下なんて論外です。要するに昔から、弾きたい場所には大抵あるのがピアノというヤツなんですよ。

だったらもう家に置いて必要も無いでしょう。省スペースで、本物のタッチに限りなく近い鍵盤があって、ヘッドホンをつければ完全に無音になってくれるモノがかなりの低価格で売られているわけですから。一日でも早く査定して、高価で買い取ってくれる業者さんを見つけることです。

例えば自分が手放した古いピアノが、経営にやや苦しんでる保育施設に安く引き取られ、そこで育った子供たちの思い出や夢、人間形成に良い影響を与え続けるとか、そういったストーリーを想像しただけでも「売ってよかった」と思えますよね。

ピアノをジャック

ピアノジャックという二人組のユニットが最近人気ですよね。真剣にピアノをやっている人たちの耳にはどう聞こえるのかは別にして、広く一般の方たちに分かりやすくカッコイイ感じで伝わりそうですよね。曲やパフォーマンスや方法で、クラシカルな楽器もポップな印象になるんですから、音楽ってまだまだ可能性があるんですね。

カホンとの組み合わせの妙ってヤツですかね。リズム隊とか何もない状態で単に速いテンポで弾いても、相当実力やリズム感がない限りのっぺりした単調な練習曲に聞こえてしまいそうだし、変に電気的な音を重ねたとしたら、パワーの差でピアノの表情が消えてしまいそうですよね。

どういう経緯で二人が組んだのかは分からないですが、主役になりそうにない二人が揃ったら新しい境地が生まれて、同じ音楽をやってる人間にとっては羨ましいかぎりです。私なんかは完全にバンドのグルーブ感が好きなので、ピアノとか軽い音色の音はあくまでも上モノとして、グルーブの中心には据えられない古い感覚の人間です。

ディープ・パープル辺りの、オルガンとリズム隊とギターが緊張感を持ってお互いの出方を感じて音を当てていく感じが好みですね。まぁ全然世代ではないんですが。

今、誰もやっていないような楽器の使い方で音楽を作っているので、いつの日か日の目を見る機会を得られたなら、それは嬉しい限りです。そうなるように働きながらも時間を作って頑張っています。

活動の変化

最近は主にパソコンを使って作曲をしているので、生楽器を弾くことはほとんど無くなりました。世の中の流れなので、そういう方ってこれからもどんどん増えていくでしょうね。

しかも最近のソフトの音源ときたら、とんでもない高音質。だって一流のプロミュージシャンが素晴らしい設備のスタジオと集音器機を使って最高クラスの楽器で弾いた音をそのままパッケージしてますからね。DTMを嗜む者にとってみたら、こんなに好都合な事ってないわけで。

だから当然生楽器が不要になってくる。ライブとかするんだったら話は別なんですが、鍵盤系の楽器なんてよっぽど良い状態でグランドピアノとかを弾かない限りは特にニュアンスが出にくいですから。家に眠ってるピアノ査定に出しても問題なさそうです。

でも練習の為に残しておこうか迷います。なんたってDTM用のMIDI鍵盤がペラッペラで、ホントにただ入力するだけのコントローラーでしかないから。でもパソコン内部ではとんでもなく名プレーヤーのような音色を奏でてるんですけどね。

世の中がこのままどんどん進んでいったら、調律師とか職人とかがやっぱり減っていくんでしょうかね。必ず必要な職業なんでしょうけど、絶対数の問題でどうしても減ると思われ。寂しいけれど自分もその恩恵に預かっているわけで。

音楽で大儲け出来た人たちは、責任を持って時代の名工たちの作品を一人100台買うとかした方が良いですよね。先人たちに敬意を払って。

出会ったピアノに思う事

結構リサイクルショップ巡りが好きな私は、かなりマイナーなお店にもチェックの目を光らせているんですが、やっぱり楽器コーナーは繁繁と見てしまいますね。

その日も何か掘り出し物はないかといつ出来たのかも分からない新しいリサイクルのお店をウロウロとしてましたら、大変立派で比較的新しい機種の電子ピアノが目にとまりました。状態も良く、試奏してみても音抜けとかも無く気持ちいい音色。鍵盤の重さもかなりしっくりくるし、小さいお子さんを抱えてる比較的狭いおウチのお父さんお母さんが、これからお子さんがピアノの習わせたいとかいう際にはもってこいなんではないのかと思い、自分の家には置けないけども念のために値段を確認してみてビックリ。

な、7000円かい!!新書10冊分のお金でコレが買えるの!?ちょっと信じられない。というかこれ一体いくらで仕入れたらこの金額になるのだろう。驚きながら店内を見渡してると、お店の壁に「使わなくなったピアノ、処分に困った大型家電を無料で引き取ります。」の文字が。

まさかとは思いますが、このそこそこ良い電子ピアノ、タダで仕入れたんじゃあなかろうか。もし仮にタダで引き取って7000円で売ってるとしたら、なんてボロい商売なんだろう。私もリサイクルショップを始めたいです。

小売業なんて大体の利益率は一割位なのに、ガソリン代だけでこんなに利益が出るなんて。価値ある物を手放す時はお店選びが本当に重要ですよね。