そもそもオーバーホールとは何か?必要性は?

本サイトで何度かオーバーホールという言葉を出していますが、そもそもオーバーホールとは何かということを説明していきたいと思います。

簡単に言ってしまえば、ピアノのメンテナンスのことになります。ピアノは弾けば弾くほど、時間が経てば経つほど、音の質と言うものが変わってきます。さらに、鍵盤を叩く感触も徐々に変化していくデリケートな楽器です。
その音質や鍵盤のタッチ感をよくするために色々な部品などを交換したりしてメンテナンスを行うことを言います。従って、調律とは意味合いが違ってきますので注意が必要です。
さらに、中古ピアノという観点からも、自身のピアノを査定に出す場合、このオーバーホールをしていたしていなかったで、査定額に差が出る可能性もあります。
逆に、中古ピアノを購入しようと思った時も、購入したばかりの時は、特に音質やタッチ感は前オーナーや管理していたピアノ業者さんの手によって変えられていたりと、自分自身の好みになっていない可能性があります。
こういったときにも、調律と合わせてオーバーホールを実施することに非常に意義が出てくるわけです。
さらにオーバーホールは、ピアノ全体に渡る作業になるため、ピアノの命でもある響板のメンテナンスも合わせて行うことが出来ると言う強みを持っています。
響板がダメになってしまえば、ピアノとして寿命を迎える意味と同等のため、寿命が長くなる可能性が大きくなるわけです。

少々、話が逸れますが、オーバーホールという作業は本当にデリケートな作業になります。例えば、ハンマーを交換した場合、これだけでピアノのバランスが大きく変わります。
ピアノからしたら、いくらハンマーと言えども、いくらピアノメーカーの純正製品を使用したとしても、交換前と交換後のハンマーは別物なのです。
何が言いたいかと言いますと、ハンマーを交換したとき、例えば、それが1gの差があった場合、ピアノ自体の性能が大きく変わると言うことなのです。
具体的には、たった1gハンマーが重くなると叩く鍵盤は5gほど重くなると言われています。5gというのは明らかに感覚的に違うので、戸惑ってしまうことがあるわけです。
ですので、中には、このタッチ感が変わることを嫌がりオーバーホールをあまりしない方も確かに見えますが、やはり部品交換などはどうしても必要な作業になってくるため覚悟は必要です。

ともあれ、デリケートとは言え、オーバーホールというのはピアノの寿命を大きく左右するメンテナンスのため定期的にすることを強くお勧めしたいです。