グランドピアノとアップライトピアノの違い(弦の長さ)

弦を利用した楽器は、その弦の材質をはじめ、長さや太さ、そして弦を弾くものによって奏でる音が変わってきます。これは、至極当然のことで、ピアノにも言えることです。
さて、グランドピアノとアップライトピアノの違いについて記事にしてきましたが、今回は弦についての違いを記載しいきます。
ピアノ購入に迷ったとき、グランドピアノが推奨されるのは、くどいぐらい紹介してきました。ここでも、この弦の違いでグランドピアノが良いとされる理由があるので、迷っている方、アップライトピアノからグランドピアノに中古ピアノでも良いので購入を考えている方などの参考になればと思います。

まず、弦の張り方について違いがあります。グランドピアノは「水平」に張られます。対して、アップライトピアノは「垂直」に張られることになります。
お互いのピアノの外観を見れば一目瞭然のことなのですが、ただ「水平」「垂直」だけで音の質が変わってくるのか?とピアノ初心者の方ですと、そこまで考えは及びません。もちろん、ピアノの深さを知るには時間が掛かるので致し方がないのですが、垂直と水平になるとどういう違いが出てくるか?は知っておくべきことだと考えます。
では、その違いはというと「音の方向」が変わります。これも当然と言えば当然ですが、音が鳴る方向が違うだけで、音質というのが変わるのも事実で、そしてこれが大きな違いになるのがピアノという楽器なのです。

更には、弦の長さによっても大きな違いが出てきます。コンサート会場にあるような大型のグランドピアノは、やはり大型と言われるだけあって、奥行きが非常に深いです。イコール、弦が長いということを意味します。
弦が長ければ長いほど、大きな音が出るので、コンサートのような大きな会場で最大限の威力を発揮することになります。そして、この長さが音の表現力を高めるため、音の幅というのが大きくなるわけです。
さて、そうしたらアップライトピアノも背の高いものを利用すれば、同じことが言える。と、思われるかもしれません。確かに、そういった部分もありますが、違う部分もあります。
アップライトピアノは音を出すための構造が非常に複雑なため、弦を長くすればしたほど、グランドピアノのような表現力が単純にアップするわけではありません。グランドピアノよりも「バランス」というものが大切になるため、そう簡単にはいかないのです。
ですので、どうしても「音の表現力」というのが劣ってしまい、将来的には「幅の狭い音の表現力」しか出せないピアニストになってしまう可能性があるのです。