今回の防音対策の紹介はマスクピアノと呼ばれるピアノです。
ピアノの屋根の部分を開け閉めして防音を図るという方法のため、ピアノの音に与える影響と言うものは他の従来の防音対策と違い少ないです。
例えば、アップライトピアノの従来の防音対策と言えば、真ん中のペダルを踏んでマフラー装置を作動させてみたり、ヘッドホーンを使用するようなサイレント系の防音対策を施したりと比べると断然、音の質は良いです。
単純に、音の大きい、小さいをコントロールするものなので、こういったメリットを生むことが出来るわけです。
実物のマスクピアノをご覧になってもらえれば直ぐに分かると思うのですが、非常に密閉された状態になります。従って、閉めた状態でピアノの演奏を行いますと、音の小ささというものが体感できるかと思います。
また、前回の記事で紹介したピアノ架台やリフォームと比べれば、断然、安価に抑えれると思います。私の知識内では、音の質をそこまで損なわずに消音効果を発揮するものであれば、一番安価な方法だと思っています。
ともあれ、かなりの防音効果が見込めるのにも関わらず、このパネルと全開にすれば、通常のグランドピアノの音と変わりない音質が楽しめるのが最大のメリットかもしれません。
ただし、注意しないといけない点があります。実は、河合楽器さんが扱うピアノしか、この防音対策をすることが出来ません。というのも、実は河合楽器さんの特許のものだからです。
さらに、中古ピアノでは取り付け不可能というのも大きなデメリットの1つかもしれません。ですので、この防音対策を行うことが出来るピアノが限られてしまいます。
現状の場合ですと、ピアノの機種としては、カワイ、ディアパソンの2種で、かつ新品ピアノに対してのオプションということになります。
ただこの制限は、時代の流れと共に変わってくるかと思います。ですので、もし、この防音対策を施したいと考えているのであれば、その都度その都度でピアノ業者さんに確認するとよいかと思います。
なので、もし、これからマンションなどでグランドピアノを演奏したいけど、防音対策にそこまでお金が掛けれない。かつ、中古ピアノではなく新品ピアノでメーカーは拘らないという方であれば強くお勧めできるものだと思います。
自分自身で、記事を執筆していて「かなり限定される」とは思っていますが、それでも紹介をしたくなるほどのメリットがあるということが伝わってくれれば、私としては幸いです。