そもそもの電子ピアノという楽器の位置づけ

先日から電子ピアノについての記事を連載しておりますが、そもそも電子ピアノの楽器的な意味での位置づけというものは何処にあるのか?
というのも、これからピアノを購入、さらにはピアノ査定などするのであれば、多少なりとも気になるところだと思います。
そこで、今回は「電子ピアノ」についての楽器としての位置づけについて記事にしていきたいと思います。

そもそも電子ピアノと言う名前だけあって「ピアノ」という位置づけなのか?と問われると、答はノーです。
明らかにピアノという楽器の構造とは違うので、ピアノとは言えないのです。では、どうやってピアノの音を出しているのか?と、気になるところです。
答えは非常に簡単です。単純に、ピアノの音を録音し再生しているだけです。なので、楽器としての位置づけはキーボードに近い存在だと言えます。
話が少々、それますが余談として「ピアノの音を録音」ということについて、補足をします。
この「録音」をして再生をしているため、音の強弱というところまで表現をするのはやはり難しいところがあります。
鍵盤を叩いたときの微妙な強弱の付け方は、結局のところ「音の大小」になってしまうため、細かな表現が難しくなっているのです。
ピアノの場合「弱い音」でも、実際には小さい音になっているわけではありません。多少なりとも小さくはなっていますが、はっきりとした音量で聞こえます。
電子ピアノとしては、この表現が非常に難しい壁になって立ちはだかっているのです。

話を戻します。では、キーボードと比べるとどうかといいますと、やはりキーボードではありません。鍵盤の数がまず違います。
そして、ピアノのようなペダルはキーボードにはないため、こういった最大の特徴の部分で差異があるわけです。

非常に、申し訳ないのですが、結局のところ電子ピアノとは、ピアノを真似た電気で動く鍵盤というところでしょうか。
正直なところ、満足の行く答えではないのかもしれませんが、このように表現するしかない状態です。

ただ、最近では、ピアノと同じ素材で何とか近づけようと努力していることも、また事実です。例えば、鍵盤の部分は、今まではプラスティック製のものでしたが
今では、ピアノと同じ素材の木で作るようになったため「触った感触」というものは、全く同じになったわけです。

ともあれ、まだまだ中途半端な存在ではありますが、日々、ピアノという楽器に近づいているということには間違いありません。
ですので、将来的に「ピアノ」と分類される日も来るかもしれません。